HISTORY

こんにちは、ディレクターの伊場です。

フォルネ公式オンラインショップをご覧いただきありがとうございます。フォルネは 2019 年に愛媛で誕生したブランドですが、嬉しいことに『フォルネの生まれたきっかけ』について最近ご質問やDMをいただくことも多く(^^)ここで少し、フォルネがどんな風に生まれたかご紹介したいと思います。

直接関係あることもないことも、私にとって些細なことが、フォルネが生まれるきっかけになっていたりしますので、その当時の写真も織り交ぜながらご紹介させてくださいね🙋‍♀️

まずはじめに、わたくし伊場(いば)の紹介を~。

名前 伊場 麻世 mayo iba
職業 graphic designer・art director /フォルネ ディレクター兼デザイナー
出身地 愛媛県松山市
誕生日 1984年12月生まれの射手座でB型
年齢 36歳(2021年現在) ちなみに身長は146cm
デザイナー歴 17年

愛媛県内のデザイン科の高校を卒業後、大阪へ。早く現場で仕事を覚えたいという気持ちから、昼間はデザイン会社でインターンをしながら夜はデザイン専門学校に通学。卒業後、大阪のデザイン事務所に7年勤務。その間に結婚→長男出産を機に2011年8月愛媛に戻りフリーランスのデザイナーになって今年で約10年。現在愛媛で、映像関係の会社に勤める同い年の夫(36)と小学4年生の長男(10)、1年生の次男(7)の4人暮らしです!

 

IBA Family image

 

家族4人で写っている写真を探しましたが、意外と撮ってないものですね〜汗

さてさて、フォルネが生まれたきっかけ、、それは遡ること2018年2月ごろ

フィンランド行くけど、一緒に行く?

当時仕事関係の友人知人と集まる機会があって、そこには東京からきている方もちらほら。
その中でちょうど「仕事でフィンランドへ行く」という話があがっていて、「私も行きたいな~」ボソリと発したその言葉に「一緒に行く?」と誘っていただいたのがきっかけで私の初のフィンランド行きが決まります。そのとき即答で「行きます!行きます!一応家族に聞きますけど行きます〜!」と答えたのを覚えています。笑

今思えば、知人のこの一言がなかったらフォルネは生まれてなかったかも…!と思うぐらい、後々この旅がいろんなことを考えさせてくれるのです。

翌日家族に相談したところ、こんな機会ないから行っておいで!子供達は大丈夫!と、ちょうど長男入学式前の春休みということもあって、快く送り出してくれたことは今でも本当にありがたかったなと旦那や家族に感謝です。

さて、そんなこんなで確か2018年の4月4日~4月7日ぐらいまでフィンランドへ行くわけですが、出国前に想像していたフィンランドの旅は楽しくキラキラしたもの!だけど、実際は楽しさだけではなく、自分の深い深い感情と向き合うことになる、ほろ苦い旅だった…(少々大げさですね笑)

■ 自分は何者?

この旅は、後に日本で開催される石本藤雄さんの巡回展の取材や打ち合わせに同行させてもらったわけですが、フィンランド・アラビアの石本さんのアトリエやご自宅、マリメッコの工場見学などなど、今思えば本当に貴重な体験をさせていただきました。

私はただただ見学・勉強としてついて行っただけですが、フィンランドで活躍するアーティストやデザイナーさんとお会いしたり、美術館やギャラリーへ行ったり、歴史ある建築物を巡ったり、北欧デザインと言われるそのものに触れ、私にはその全てがとても自由でキラキラして見えました。(といっても、滞在4日間、まだまだ訪れたい場所がたくさんあるので、またいつか行きたい〜)

自然や人の暮らしに寄り添いながら考えられたデザイン、機能性とデザイン性を追求したものづくり、他にない自由で唯一無二の表現… また、それをつくるヒトも心からものづくりや表現することを楽しんでいる…

そんなことを感じながら、「私は作りたいもの作れているのか」「自分は本当は何がしたいのか」「何者なのか」「好きなことできてるのか」と、深く深く(かなり凹むぐらい!)考えるきっかけになりました。きっと現地で出会った人もデザインも、同行した人々もすごく輝いて見えたんだと思います。

その頃、私の普段のお仕事は全てクライアントワークで、お客様からいただくご依頼を形にするというお仕事をしていました。(今もしています!) 個人や企業のお客様だったり、代理店やデザイン事務所からのお仕事だったり。その仕事は大好きだし非常にやりがいもあるし、クライアントの思いをうまくカタチにできたときやユーザーに思いを届けることができたときの喜び、だれかの役に立てているという実感もあって今も大好きでずっと続けていますが、このころはたまに自分が一番良いと思う表現が採用されなかったり、「もっとこうしたら」という思いがありながら断念するもどかしさを感じることが時々ありました。(最近では、自由に任せていただけることがほとんどですが🤗 )

そんな想いもあって、この旅の最後に、「私も自分の好きなもの、いいと思うもの、作りたいっ!!!」と感じるようになったのです。誰かから頼まれて作るのではなく、自分が作りたいと思うものを作ろうと。

一緒に行っていた友人から「自分の名前でやったらいいやん!!」とストレートで明確なアドバイスをもらい、そこから、私は漠然と「自分の好きなものを作る」というテーマと向き合うのです。

■ 帰国後すぐチャンスが訪れる

2018年4月、フィンランドで「自分の好きなものを作る」と決意して帰国した私はフィンランドで感じたこと、決意したことを周りに話していきます。
そんな中、当時事業の多角化を進めていた株式会社 明朗社(現在フォルネの製造・運営会社)と一緒に新しいことを、ブランドを作ろうと絶妙なタイミングで意気投合。
「自分の好きなもの作る」→「自分のブランドを作る」へ一歩前進するのです。

■ 自分探しの第二の旅

「自分のブランド」と一言で言ってもかなり漠然としていて、ここから自分の作りたいものは何なのか、フィンランドの旅に続き「自分探しの旅」がスタートします。

この期間、たくさんの体験をし、自分の好きなこと、得意なこと、小さい頃していた遊び、育った環境、心を動かす体験は何だったか……。各地へ足を運び、美しい自然に触れたり、子どもたちと一緒にものづくりやお絵かき、陶芸も。
周りのデザインやアート関係の友人も協力してくれて、アーティストの方のお話が聞けるチャンスを見つけては会いにいき、自分が作ったものを見てもらったり(今思えば、よくそんなもの見せたなと思うぐらい、怖い話ですが)
とにかくいろんなことを吸収しようと手探りでした。笑

 

この頃作ろうとしていたのは家の中のもの。インテリアなのか雑貨なのか、漠然と考えていました。
というのも私の育った環境は、父は元大工で家具職人、母はグラフィックデザイナーということもあり、母が考えて父が作った家に住み(家具もほぼ父作)、小さい頃から日々絵を描き、工作をし、NHKの『ワクワクさん』を見ながら(同年代の方ならわかるかな?)自分なりの発見や研究をし、欲しいものはまず「自分で作れるか?」と考えるというような家で育ったため、自分が欲しいと思うお家で使うもので、大量生産ではないものなら、なんとなく作れるかな? と、すごく安易な気持ちで挑んでいました。

アートピースのようなものや木材を使ったアイテムを作ってみたり。とにかく自分が欲しいと思うものを作っていったのですが……なんだか、どれもどこかでみたことあるような気がして。そして、世の中にはすでに優れたものが当然たくさんあって。自分で作りたい気持ちと、こんなの作って欲しい人いるのかな~とモヤモヤした気持ち。
「なんでも作る」精神だからこそ、結局本当に作りたいものが絞りきれない。そんな日々が半年ほど続きました。

■ 色々遠回りして、ようやく方向性が決まる

転機となったのは、2018年11月。仕事の取材で東京へ行ったとき、専門学校時代の友人に相談する機会がありました。
友人はアートディレクターをしていて自分のブランドを持っていることもあり、ブランド作りについて相談したところ
「愛媛でデザイナーをしていて、子どもがいて、今の状況でできること、その状況の自分にしかできないことをしてみたら?」というアドバイスをくれたんです。

今思えば、友人がくれたアドバイスは当然のものですが、ぐるぐるモヤモヤ状態だった私には目からウロコというか、自分の作りたいと感じていたものは、本当にすぐ近くに、日常の子どもとの暮らしの中にあったんだ! と気づかせてくれました。

もともと子どもが使うもので気に入ったデザインがないからとよく自作していたこと、子どもに手で作る楽しさを教えたくて工作やお絵かき、さらには古い家を親子でDIYリフォームしたこと、子どもとワークショップに参加しては、いつか自分が教えられたらいいなとぼんやり思っていたこと、ブルーノ・ムナーリ氏のメソッドにずっと憧れていたこと。
そんなことをすっかり忘れていたというか、それは日常の一部で、仕事とは別物だという風に考えていました。

そこからは子どもとの暮らしの中で、「こんなもの作りたい、あんなのも作りたい!」と、作りたいものがどんどん湧き出し、アイテムを考えてデザインし、試作を進め、「親子向けの雑貨ブランド」という方向性が明確になっていきました。

■ ブランド「フォルネ」に込めた想い

アイテムを考えていく中で感じたのは、
・まずは自分が欲しいと思うもの
・自分ならこんなデザインがいいと思うもの
・あまり見かけないデザイン
を作りたいということ。

最初にも書きましたが、既に世の中はたくさんの素敵なものであふれていてますよね。
だから、自分だけの感性で「こんなもの探してた!」「なんか面白い!」と思ってもらえるものを作ろう、オリジナルのものづくりをしていこうと考えていきました。

そこから、
こんなものを探していたと感じてくれる誰かに(1人に)。
ここにしかないオリジナル(1つを)を作りたい。
という想いから出てきたキーワードが「ONE」。

自分の好きなものを作ると決めた当初からずっと相談していた、高校時代からの友人でフリーのライターをしている「あやちゃん」(あやちゃんについてはまた次回ご紹介させてください!)とともに、
「ONE」→「FOR ONE」→「FÖRNE」とブランド名を決定。2019年4月9日にブランド「フォルネ」が誕生しました。

forne

■ 発売に向けて

写真は試作段階のアイテムたち。今ではフォルネの代表アイテムとなったお風呂ポスターも、当初は「わをん」の間にイラストを入れていましたね。
何度も試作を続けて、はじめての発売に向けたラインナップが積み木やポスター、ファブリックパネル、ネックレスキット。

こちらは最初の撮影の様子。スチールは普段一緒にお仕事をしているカメラマンさんに撮影をお願いしました。(動画は夫が撮影しています)

撮影場所は、フォルネでも一緒に活動しているWebディレクターさんのお家で。

ガラス張りのお風呂が素敵で、すっかりフォルネの顔となったお風呂シーンの場所です。

■ さいごに

今回はフォルネが生まれたきっかけをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

自分で書きながら、恥ずかしかったり、大袈裟だなと感じたり(笑)、最後まで読んでくれる方いるかな……とも思いましたが、それでも少しでも多くの方にフォルネがどんなブランドかを知ってもらえたら嬉しいのと、何か始めたい&作りたいと思っている方がいたら「こんなブランドの立ち上げ方もあるんだ」と、おもしろく見てもらえたらと文章を書いています。

現在、私は普段のグラフィックデザインのお仕事をしながらフォルネのものづくりをしていますが、フォルネは私にとって我が子のようなブランドです。もう、1周回って、仕事ではなく趣味の領域。ライフスタイルというくらい楽しく取り組んでいます。
そう思えるようになったのも、そして前編で決意した「自分の好きなものを作る」という夢を実現できたのも、私と関わってくれる方や、何よりも共感してくださる皆様がいてくれたからです。ありがとうございます♡

これからも、
ママも子どもも楽しめて(ハッピーでいられて)、作ったり遊んだり学んだり五感を使った体験ができる、ここにしかないブランドを目指してものづくりを続けたいと思います!

これからもどうぞよろしくお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございました!

フォルネ ディレクター・デザイナー 伊場麻世

2021.6  Director  Mayo Iba